2010年3月20日土曜日

サークル・拓機関誌「あける」21号

書名:「あける」21号
著者名:サークル・拓
好きな場所:子ども時代が消えてゆく(引用註 エッセイ「隠居します」にしがきようこ から)
所在ページ:161
ひとこと:サークル・拓の同人誌「あける」をいただきました。最上一平先生をはじめとしてそれぞれのお作品はすごいのですが、巻末に一人一ページのエッセイがついています。これがとてもおもしろかったです。今号のお題は「本気」で、マジ?とルビがついていました。
 にしがきようこさんのエッセイは、隠居所を作っていたら母上が亡くなってしまったことを書かれていますが、この「子ども時代が消えてゆく」というひとことはとっても共感できました。うちは母はいるものの、たまに実家に帰っても物理的にはたしかに私の育った家ですが、違う家です。あれはもうない、といつも思います。子育て中の喧騒、嫁姑の確執、間に入ってうろうろする子、思春期の親とのいざこざ、理屈の通らない年寄り、そんなものをみんな含めて実家なのでした。今、私は子どもが家を出てゆく時期ですが、私が主人公となって子どもを束ね、奮闘した家は、これまたもうないのだといつも思います。
 ところで最上先生(お目にかかったことはないのですが)のエッセイはまたこれ秀逸で、しっかり怪談になっていて、マジでこれほんとなのか?と思いました。