2019年7月23日火曜日

「うそつきタケちゃん」白矢三恵

書名:うそつきタケちゃん
著者名:白矢三恵
出版社:文研出版
好きな場所:転校をして、いっしょに遊んだり、話をしない日が続いたら、もう友だちなんかじゃなくなるってこと。
所在ページ:p64

ひとこと:四年生の元希は、親の仕事のつごうで転校ばかりしています。そのうちに学んだことがいくつか。今回もまた転校ですが、その学びを生かしてなんとか対処しようとしています。それに反してからんでくるのが、おせっかいマンのタケちゃんです。
 タケちゃんは、こわいものはなにかと聞き、自分がこわいものを打ちあけます。
 元希のこわいものも聞かれるのですが……。

 どうせ、どうせ、と思っている元希を裏切っていくタケちゃんのキャラがすてきです。
 うちも何度も転校して元希の「何度も転校をくり返して、ぼくが学んだこと」の何か条かには、あるあるとうなずきながらくすっと笑わせていただきました。災害で避難されたりして転居を余儀なくされる方々には同情もある(実際はどうかわかりませんが、少なくとも理屈のうえでは)かもしれませんが、その同情は転勤による転校生には一切、適用されません。「いつまでいるの?」「どうせまたどっかに行くんでしょ」「長くは、いないんだよね」「それでもやるべきことはちゃんとやってよね」とあからさまに言われたことも。親も子もみんながんばってるはずですが、表には出ないように思われます(ひがみ?)。この本はそこに焦点を当ててくださっていて、うれしいと思いました。その意味でも、やっぱりタケちゃんが光っています。