2018年12月4日火曜日

『さよ 十二歳の刺客』評論

文芸評論家の三田主水さんが、『さよ 十二歳の刺客』を評してくださいました。お目にかかったこともないのに、ほとんど大人の本ばかりが掲載されている評論サイトの中に、詳しくさよを取り上げてくださって、びっくりです。

時代伝奇夢中道 主水血笑録
http://denki.txt-nifty.com/mitamond/2018/12/post-c7d1.html

少し引用させていただきますと、

「これまで源氏側から描かれた物語が多かった印象がある源平の合戦。そうした物語では、いきおい平氏の方が武家として劣っていた、驕っていたから敗れたという視点になりがちであります。
 しかしそれが真実であったか。まさしく判官贔屓といいつつ、その九郎判官に敗れた平氏の側が不当に貶められているのではないか。何よりも私自身、気付かぬうちにそんな視線が内面化されていなかったか――本作を読んでまず考えさせられたのはそれでした。」

そして、私が書くにあたって、かなり苦労した最後の結末についても、ちゃんと読み込んでくださっていて、とっても感謝です。

私はいつも創作教室で生徒さんに、本というのはいったん出せば知らない方に読まれることになる、もしいいたいことがあるのなら物語の中に書くべきで、それが伝わらないで本当はこうなんですなどと口で言わなければならないのなら、そこでもう失敗、などとくちはばったいことを申しあげていましたけれど(それは講師として仕事だから)、さて、自分のは通じるのかなあ……とはいつも不安に思っています。そんななか、通じた! というのはほんとうにうれしいことです。読んでくださって、ありがとうございました。