2018年9月26日水曜日

「冒険は月曜の朝」荒木せいお

書名:冒険は月曜の朝
著者名:荒木せいお
出版社:新日本出版社
好きな場所:あたしは、五年生の初めの、あの都道府県クイズをきっかけに、劇的に自分が変身したと思っていた。そして、変身できたということが、自分はもっともっと変わっていくことができるという自信につながって今の自分になっている。
 それなのに、昔も今も、ほとんど変わっていないということになったら、今のあたしの中にある自信のかたまりは、ただの勘違いから生まれたことになってしまう。そうだとしたら、いずれどこかから空気が抜けてしまい、しわしわのしょぼくれた自信になってしまうかもしれない。
所在ページ:p128
ひとこと:サークル・拓の同人、荒木せいおさんの作品です。サークル・拓は最上一平さん、ばんひろこさん、安東みきえさん、にしがきようこさん、鳥野美智子さん、佐藤いつ子さん、新井けいこさんなどなど実力のある作家さんがたくさん入っておられる同人です。そこにまたお一人、すばらしい方がデビューされました。おめでとうございます!!

六年生の風花は、振替え休日の月曜日、東京郊外のH市から、河口湖めざして旅立ちます。ある目的があるのです。お供は同じクラスの男子、賛晴です。賛晴は、風花に借りがいくつかあって、そのためにつきあうことになるのですが、平日の月曜日に六年生が二人だけで列車に乗っていてはあやしまれるという理由で、兄妹のふりをしてみますが……。

ロードものです。だからいつか目的地にはたどり着くだろうなあと思いながら読んでいるのですが、その途中がいかにも六年生の子どもらしくて、おもしろいのです。たとえば、電話をかけようとして、学校には緑電話があることを思い出して、その土地の学校に寄っていっちゃうとか。そりゃそうだよね、学校は子どもの生活の場だもの。そういう発想になるでしょう。風花ちゃんもいいけれど、賛晴くんがすごくいい味を出しています。そしてこの二人の会話がおもしろい。ここでどの部分をご紹介しようかと思ってあれこれ考えましたが、興味深いセリフが多すぎて迷いに迷いました。で、風花ちゃんのこの考察にしたのですが、それでも魅力を十分伝えられていない感じがします。とにかく読んでみて! といいたくなる本です。