2018年6月27日水曜日

「兄ちゃんは戦国武将!」佐々木ひとみ

書名:兄ちゃんは戦国武将!
著者名:佐々木ひとみ
出版社:くもん出版
好きな場所:「なるほど。で、そなたの父上、母上は息災であるか?」
「ソクサイ?」
「元気か、ってことよ」
所在ページ:p77
ひとこと:小学五年生の春樹には、十一歳上の兄ちゃんがいて、四年前大学進学のために、仙台のじいちゃんの家にひっこしていった。でも大学を途中でやめてじいちゃんの家も出て行ってしまった。ほんとうにやりたいことがみつかったという。
 家族が当惑したり心配したり激怒したりしているところに、兄ちゃんからとんでもない手紙が届いた。その差し出し人は「杜乃武将隊 伊達政宗」
 そう兄ちゃんは、戦国武将の伊達政宗になってしまったのだ……。


 杜乃武将隊は、実在する仙台のおもてなし集団「伊達武将隊」をモデルにしているそうで、帯には、本当に伊達武将隊の伊達政宗様の推薦文がついています。
 仙台在住で、震災を経て伊達武将隊の演武に心を奪われたという、作者の武将隊に対する思い入れと愛があふれています。武将隊の活動と、震災で傷ついた仙台や亘理のそして東北の人々の当時と今の心が描かれていきます。
 季節風大会の物語分科会で、みんなで生原稿を拝読させていただいたのは、震災の直後だったかなと思います。そのころは、やはり震災のショックもあってなかなかお書きになれなかった心情もおありだったろうと思いますが、時を経て、それをしっかりと描かれて、取材もされて、さらにさらに充実した物語として結実されたんだなあ~と思いました。
 ご上梓おめでとうございました。

 そういえば、あのときの分科会で読ませていただいたお原稿は、昨年あたりから次々本になっています。あのとき三回目の大会参加で、どきどきしながらそっと出した私のやつも、改稿というよりは、まったく別の物語になってしまいましたが、やっとなんとかなりそうなのですが、それにしても、物語を書くには、そしてそれを本にするには、とてもとても、時間がかかるものなのです……。