2018年2月15日木曜日

「しりとりボクシング」新井けいこ

書名:しりとりボクシング
著者名:新井けいこ
出版社:小峰書店
好きな場所:
 【る】で守る。
 つまり、【る】のつく言葉のひき出しをたくさん作ること。
 それにくわえて、【る】で攻める、というのもあるんじゃないか。
所在ページ:p71
ひとこと:三年生の恭平は、モンシロチョウをめぐる一件で、同級生の健太に義理を感じています。健太はひんぱんに言葉を間違うので、恭平はこっそり教えて手伝ってやっています。
 そこへ学年行事でしりとり大会が開催されることになります。健太は恥をかきたくないと心配しているようです。それで恭平は、健太としりとり大会に勝つ作戦を考えることにするのですが……。

 

 いつもなんとなくやっているしりとりに、作戦を考えるということが、そもそも、子どもには新鮮ではないでしょうか。攻略本のように辞書を使い、勝ちそうな語彙をアイテムのように取得してゆく。現代の子どもさんがたに、とっても共感できる内容だと思います。
「ー」で終わる言葉のときはどうするか、とか小さい文字で終わる言葉のときはとか、「ぢ」と「じ」の違いはどうするか、などしりとりにも適用するときに考えなければならないルールのポイントがある、ということなどもよくわかります。
 しりとりを通じて、いやおうなく言葉に敏感になるし、国語嫌いの子でもきっとしりとりならば、ボクシングのような「格闘技」として受け入れることができます。
 この本を読みながらしりとりをすることで、子どもは語彙を高めることができるに違いありません。