2018年1月20日土曜日

「なんでやねーん」安田夏菜

書名:おしごとのおはなし お笑い芸人 なんでやねーん!
著者名:安田夏菜
出版社:講談社
好きな場所:そのとおり。新しいことをすんのは、不安やし、こわい。けど、できる芸がふえたんはうれしかったで。
所在ページ:p53
ひとこと:小学校中学年向けのおしごとのおはなしシリーズ、いろいろなおしごとにまつわるお話があります。たとえば、サッカー選手とか、お医者さんとか、警察官とかマンガ家とか。
 この本のおはなしはお笑い芸人。それをご自身「花都向日葵」の高座名で舞台にも上がられ、また落語家のおじいちゃんのお話『あしたも、さんかく』や、落語そのもののようなお話『くじらじゃくし』などの著作のある安田夏菜さんが書かれました。

 

 私は安田さんのお話が大好きです。おもしろくて、おもしろいだけではなくて、人情味があって、ほろりとして、そしてうーんと考えるところがあって心に残る、とってもすばらしいお話ばかりだと思います。
 今回も予想に違わず、ありましたよ、そのどれもが。

 小学三年生の良平が手を洗っていると、その洗い方を見込んだ拓斗にいっしょにコンビを組んで漫才をしようとさそわれます。良平は漫才に興味もないし、笑われるなんてはずかしいので、断りますが、そのときについ前の日にテレビで見た芸人さんのことを話してかっこわるいと言ってしまいます。
 ところがその芸人さんは……。

 これだけの長さのお話に、芸の真実、神髄が詰まっていると思います。引用のところなんて、私たち作家も同じだと思いました。