2017年9月10日日曜日

「ビブリオバトルへ、ようこそ!」濱野京子

書名:ビブリオバトルへ、ようこそ!
著者名:濱野京子
出版社:あかね書房
好きな場所:「やっぱり、バトルって言葉、引っかかるんだよね」
「そうかなあ。先生も勝ち負けじゃないっていってたじゃん。ゲームなんだから」
所在ページ:p25
ひとこと:濱野京子さんの『アカシア書店営業中!』は、本屋さんの児童書コーナーが減らされるということで、何とかしなければと立ちあがった小学生のお話でした。
今回の『ビブリオバトルへ、ようこそ!』にもアカシア書店が出てきますが、今度は違う小学校の生徒のお話で、学校図書館が舞台です。
 あこがれの幸哉くんと同じ図書委員になった五年生の柚希。みんなを図書館に引き付けるためにどうするかと図書委員で相談していると、先生がビブリオバトルのことを教えてくれます。さっそく図書委員でやってみることに。でも、友達の瑠衣は、やらないと言います。引用のように、ビブリオバトルが「バトル」であることにひっかかるのです。でも柚希はやってみたいと思い、本選びを始めます。
 ビブリオバトルはどうやってやるのか、読み聞かせやブックトークとどう違うのかが、順を追ってわかりやすく伝えられています。柚希と幸哉くんの関係はどうなるのかもどきどきです。

 ビブリオバトルはとってもおもしろいし、バトルというか、ちょっとした競争であるので緊張感を持って本を紹介することになり、聞く方にも後でチャンプ本を選ばなければならないという緊張感があるし、時間も限定されているので飽きずに聞くことができます。でも競争ではありながら、勝ち負けというわけでなく、チャンプ本にならなくても(ちょっとだけはくやしいけれど)、聞いた方はチャンプ本でない本もなぜか読みたくなってしまう、というところがいいですよね。広まって欲しいです。