2017年4月26日水曜日

「あぐり☆サイエンスクラブ 春」堀米薫


書名:あぐり☆サイエンスクラブ 春 まさかの田んぼクラブ!?
著者名:堀米薫
出版社:新日本出版社
好きな場所:「もちろん、科学体験クラブです」
「先生の言っている意味が、よくわかりませんが」
 あぐり先生は、両ひざの上にぐっとこぶしを握ると、春香さんの目をまっすぐに見つめながら、きっぱりと言いきった。
「農業は、科学だからです!」
所在ページ:p133
ひとこと:五年生の学は、できのよいお兄ちゃんと違って、中学受験はあきらめている。だが、塾には通っていて、塾で高校生を教えている藤原あぐりという先生が募集しているあぐり☆サイエンスクラブに、親に相談せずに申し込んでしまった。
 怒られるとおもいきや、勉強をもっとがんばるという約束と引きかえに、行っていいという許可をもらう。
 送り迎え付きというクラブだが、あぐり先生のワゴン車に乗って、連れてゆかれたのは田んぼだった。

 宮城で和牛肥育と水稲栽培、林業を営んでおられる堀米薫さんは、農業と東北に関してたくさんのフィクション、ノンフィクションを書いておられます。
 今度のこの本もその一環で、農業と科学のつながりに焦点を当ててわかりやすく描いたフィクションです。でも、それだけではなくて、田んぼにまつわる伝説や、料理、そしてそれを取り巻く人々も描いています。きっと農業体験をしにくる都会のお子さんたちを受け入れておられるご経験によるのかなと思います。農業体験をする機会がなくても、きっとこの本で、その魅力の一端に触れることができるでしょう。