2017年3月2日木曜日

「古典から生まれた新しい物語 冒険の話 墓場の目撃者」

『古典から生まれた新しい物語 冒険の話 墓場の目撃者』(偕成社)に一編を掲載していただきました。表題作「墓場の目撃者」です。



このシリーズは、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』がミュージカル『ウエストサイド・ストーリー』になったように、古典モチーフにして、現代、または未来の物語を新たに書き直すという試みです。

私は『トム・ソーヤの冒険』を現代の子に置き換えて書かせていただきました。トム・ソーヤは、ディズニーランドのトム・ソーヤ島に象徴されるように、子どもだけで島で生活するという部分をよく引かれていますが、実はミステリーの要素もあって、私など子どもの頃読んだ、裁判の場面でインジャン・ジョーが法廷を逃げ出すシーンが忘れられず、アメリカ刑事法の話を聞く度に実は思い出していたりしたものでした。今回はその部分を現代風に置き換えて、日本の今のお話にしております。

古典はどんなにやさしく書き直しても、シチュエーションがわからないので、現代の子どもにはとっつきにくいものです。それをこのような方法で書き直すことで、古典のエッセンスをそのままに、わかりやすくしたとてもよい企画と思います。そこに参加させていただいてほんとうによかったです。