2016年4月2日土曜日

「怪魚ハンター、世界をゆく」こうやまのりお(佼成出版社)

書名:怪魚ハンター、世界をゆく
著者名:こうやまのりお
出版社:佼成出版社
好きな場所:子どもと遊べば、お母さんとも仲良よくなれます。お母さんと仲よくなれば、だんなさんに『タクヤのために魚がとれる場所まで案内してあげて』なんて言ってもらえます。『もう一週間、タクヤの釣りにつき合ってあげれば』と奥さんが言ってくれたら、男たちも喜んで案内してくれますから
所在ページ:P79
ひとこと:世界中の怪魚を釣るということを目標にしている冒険家、小塚拓矢さんをとりあげたノンフィクションです。
 12年間で訪れた国は37か国、釣った怪魚は50種類以上とのこと。
 小さい時から釣りに夢中で、それだけではなく進学校に通っている時分には仲間と自転車で高岡から神戸までの日本縦断、東北大学に行っているときはこれまた友だちと無人島での生活にトライするなど冒険もお好きという方です。
 その釣りと冒険が合体して、大学時代から、一人旅で、外国の奥地を訪れては、怪魚を釣るようになります。
 しかし、それもなかなか大変です。一人旅では持てる荷物は限られており、餌を入れる容器を用意するにしても、案内をしてもらうにしても、魚を釣ったところの写真を撮ってもらうにしても、現地の方の協力は必須です。
 そのため、小塚さんには、いろいろとルールにしておられることがあり、いずれもなるほどと思える合理的なことです。詳しくは本を読んでいただくとして。
 その一つが、引用のようなまず子どもと遊ぶ、ということでした。
 将を射んと欲すればまず馬を射よ、とも言いますが、いかにもいかにもではばれてしまうでしょう。やっぱり、本当に現地の子どもと遊ぶのが好きでいらして、また自分の知らない国、知らない文化の中に入って、人と人との腹を割ったつながりを結ぶことが好きでないとできないと思います。
 1985年生まれと非常にお若い方ですが、日本の若者が「やっぱり日本がいい」と外国に出ることを嫌うという風潮の中、とっても頼もしいなあと思います。
 釣り好きの子や、冒険好きの子が夢中になって読み、世界に目を開かされるご本と思います。ぜひぜひ図書館などにお備えください。