2015年11月19日木曜日

「世界でいちばんやさしくて役立つ 経済の教科書」塚崎公義

書名:世界でいちばんやさしくて役立つ 経済の教科書
著者名:塚崎公義
出版社:宝島社
好きな場所:もちろん数学は一切使っていませんし、難しい言葉も可能な限り使わずに、やさしい言葉を使いました。
 わたしは、かねてより難しいことをやさしく説明することに注力してきました。
所在ページ:P3
ひとこと:なぜ、おまえが経済の教科書を紹介するのだ、という疑問が当然あるとおもいますけれど(笑)、筆者の塚崎さんは、昔、大学時代にクラブ活動でご一緒させていただいた方です。とはいえ、おちこぼれの私と違って、大変優秀な方で、銀行にお勤めになって調査部で主に仕事をされた後、久留米大学商学部の教授をされています。
 難しいことは、そのことをよくわかっている人の話を聞くのが一番、というのが、私の経験から得た知恵です。難しいことをわかっている人は、決して難しいことをしゃべりません。難しいことをわかっていたら難しい話になるかと思われがちですが、それは逆なんです。それから「話を聞く」というところもミソです。読むより、聞くほうが断然エネルギーを使いません。考える順にしゃべってくれるからです。
 このご本は、経済のことをよくわかっていらっしゃる塚崎さんが、質問に応じてしゃべるように書かれたものですから、わかりやすいのです。
 たとえば、トップニュースで貿易収支が赤字になりました、と報じられても、いいんだかわるいんだか、赤字っていうから悪いんだろう、トップニュースなんだから大変だ、と思っていますけれど、このご本では「日本の貿易はもうかっている?」みたいな項目があって、次に「え、赤字って大丈夫なの?」というような小項目がありますので、よくわかります。
 前にご紹介したと思いますが塚崎さんの『よくわかる日本経済入門』(朝日新書)という本もわかりやすかったですが、このご本は、入門の入門という感じで、大学生や新社会人にも、それからニュースを見てもなんだかふんいきだけで、本当は納得できていない私のような一般人にもぴったりだと思いました。
 そうそう、さきごろ灯油を買ったのですが、今年は去年より安くてびっくりでした。それがなぜかもこの本でわかりました。(P21 高くなったガソリンの値段が急に下がったのはなぜ?)