2015年4月29日水曜日

りほちゃんのめざし

書名: りほちゃんのめざし
著者名: 季巳明代
出版社: フレーベル館
好きな場所: p8
所在ページ: 「わたしはめざし。」
りほちゃんが こたえると、みんなが めを まるくしました。
ひとこと:キンダーおはなしえほん6月号です。
   りほちゃんは、ねんちょうぐみさん。明日は遠足だというので、おべんとうに何を入れてもってくるかという話になります。りほちゃんは、めざしが大好きなので、引用のように、元気よくめざし、というと、みんながびっくりします。そして「へんな こと いうと あめが ふるんだよ」というのです。
本当に、あまつぶが落ちてきました。さあ、どうなるでしょう。

 季巳さんのすごいところは、本当に子どもが言う奇想天外なセリフが、自然な流れで出てくることです。「へんなこというとあめがふるんだよねー、先生」なんて言われたこと、きっとあるにちがいありません。大人も思いつくぐらいは思いつけるかもしれませんが、物語を展開しようというときに、こんなこと、私なんて出てきません。きっと、長い間の保育現場の経験からの言葉だと思います。そしてその展開が、また、ほお、こう来るのかというものです。きっと、教室で読んだら、みんなががんばれーっておおさわぎになるんだろうな。


 そして、めざしが大好きなんて、ちょっと渋めの趣味のなんだか変な子を応援するあたたかい目も感じられます。これはさきごろ同じフレーベル館から出された中学年向けの『4年変組』も同じですね。ますますのご健筆をお祈りしております。