2015年2月15日日曜日

「よくわかる日本経済入門」塚崎公義

書名: よくわかる日本経済入門
著者名: 塚崎公義
出版社: 朝日新書
好きな場所: 経済に関するニュースは至るところにあふれていますから、財政赤字だから消費税をひきあげる、不況だから失業が増える、といったことは誰でも知っています。しかし、その意味することを本当に理解するには、ニュースの基礎となる「常識」を知っておく必要があります。
 たとえば、「ゾウが尾にケガをした」というニュースは、人々がゾウというものを知っていることを前提としています。ゾウを見たことがない人には、ニュースの本当の意味はわからないでしょう。
所在ページ: p3

ひとこと:いつも児童文学ばかりの本のご紹介なのですが、なぜここに経済、かと申しますと、このご著者は、大学時代の同級生です。銀行で経済分析をされたのち、大学の先生をしておられます。落ちこぼれの私に、こんなびっくりの同級の方! このご本は、好評で、ご出版から二年弱で、増補改訂とのこと(ウラヤマシイ)。

経済といえば難しい、専門家にまかせておけばいい、と思うかもしれませんが、それは民主主義の今の時代、わたしたちひとりひとりが王様、ちゃんと知っておかなければ、うっかりすると自覚なしに「パンがなければケーキを食べれば」発言をしているかもしれません。でも、ニュースを見たってやっぱりわからないというのは、引用のように「ゾウを見たことがない」からです。


そのゾウ、常識というのは、世代によっても違うと思いますが、たぶんご著者は大学で教えておられる経験から、私どもが「常識」と思うことも、若い世代には常識ではないということもよく知っておられます。拝読すると、中では随所で、たとえばバブルというのはどういうものか、どういうふうに発生したのか、銀行が貸し付けをやめなかったのはなぜか、不良債権の処理の方針についてどういう考え方があり、どちらが採用されたのか、などなどを、コラムを織り交ぜながら、解説しておられます。バブルを経験した世代には、ああそういうことだったのね、と事件を思い出しながら勉強できますし、今から社会に出ようとしている若い方には常識を知るということで、おすすめの本だと思います。
またコラムではこれから就職しようとする人たちに、今の就職戦線はどういうしくみになっているのか、なども説明されています。

塚崎さんは、他にもたくさん本を書かれていて、中には私どもの世代にどっきりぴったりの『退職金貧乏 定年後の「お金」の話』というものも。こちらです↓発売三か月で四刷とか(ああウラヤマシイ)。

http://www.amazon.co.jp/%E9%80%80%E8%81%B7%E9%87%91%E8%B2%A7%E4%B9%8F-%E5%AE%9A%E5%B9%B4%E5%BE%8C%E3%81%AE%E3%80%8C%E3%81%8A%E9%87%91%E3%80%8D%E3%81%AE%E8%A9%B1-%E7%A5%A5%E4%BC%9D%E7%A4%BE%E6%96%B0%E6%9B%B8-390/dp/4396113900