2014年10月12日日曜日

『猫たちからのプレゼント』高橋うらら

書名:猫たちからのプレゼント  ケガしたミィミィが教えてくれたこと
著者名:高橋うらら
出版社: 集英社みらい文庫
好きな場所: 「いいから、やめとけって。それじゃ、なんのために避難してきたか、わかんねーじゃん」
所在ページ:p114
ひとこと:高橋うららさんの『犬たちからのプレゼント』は表紙が愛くるしいトイプードルの写真で、もうそれだけでもうずうずしてしまうご本でしたが、今回その姉妹作『猫たちからのプレゼント』もまた同じく愛くるしい子猫の写真です。この目に見つめられたら、絶対買ってしまいます。

 高橋うららさんは、ノンフィクションを主にお書きになる作家さんで、犬ものとしては同じみらい文庫の『おかえり! アンジー 東日本大震災を生きぬいた犬の物語』や、『犬たちがくれた音』(金の星社)、『ありがとうチョビ』(くもん出版)が、また猫ものとしては『野鳥もネコもすくいたい!』(学研教育出版)などがあります。いずれも名作で、命を大事にすることを大きなテーマとしておられます。

 今回の『猫たちからのプレゼント』はフィクションですがテーマは同じ、ですがそれに加えて、ペットが人間の生き方にどうかかわってくるかを描いておられるように思えます。
 たとえば、「ケガしたミィミィが教えてくれたこと」は、おかあさんがファッションモデルの桃子がうっかり言ってしまった一言が……というお話ですけれど、いなくても別に困りはしないペットですが、その生に向き合うことは、人間の生き方にも向き合うこと、という著者の考え方が伝わってきます。
 また前作と同じく、今回もその根底には「アニマルレフュージ関西」という動物保護団体の活動があり、中にも同じような団体が登場します。
 たとえば引用は、ペットを連れずに津波警報で避難した七海が、家に戻ろうとしたところを友だちが引きとめたところですが、七海はあとで、この団体の人に災害時にペットを家に置き去りにしないためのふだんの心構えを教えてもらいます。
 ペットを連れてくるか自分が助かるか、の二者択一ではなく、普段からペットもいっしょに避難する準備をしておくこと、非常に合理的な考え方だと思います。
 これを読んだ子どもたちは、著者のノンフィクションと同様、いろいろ考えてくれるにちがいないと思います。