2014年8月26日火曜日

「怪の教室 悲しみのその先」 麻生かづこ

書名:亡霊クラブ 怪の教室 悲しみのそのさき
著者名: 麻生かづこ
出版社: ポプラポケット文庫 ガールズ
好きな場所: ん……もう! あけみちゃん、ばっかり!
所在ページ: P125
ひとこと:女の子向けの文庫「ポプラポケット文庫ガールズ」は、カバーもピンクできらきら。この本は麻生かづこさんの「怪の教室」シリーズの第三弾です。怪の教室シリーズは、女の子のよくわかる世界を描き、その世界から、怪の教室の世界に落ちこんでしまう子たちを描いています。落ちた理由はさまざま。しかし、共通するのは、その原因が、だれかの(本人に限らない)嫉妬にあることです。嫉妬。ほんとやっかいです。嫉妬したからといって、自分の得になるということはまずないとわかっているのに、ついつい、どうしてもそちらへ流れていってしまいたくなります。嫉妬するよりは自分ががんばればいい、持ってなければ正当に獲得できるように算段するか、ほかの道をたどればいいのです、それがどんなに苦しくて遠い道でも。でも、人は、その苦しい道を通りたくない生き物なんですねー、どうしようもないのか、(もちろん)自分も含め、人間というものがなんだかあわれにも思えてきます。

 そんなわけで、特に意地悪でも特に悪いわけでもないフツーの子が(もっと悪い子もいるというのに)、裏の世界に落ちてゆくというのがこのシリーズの本当の怖さかもしれません。

 今回は、学校で行われたきもだめしがその舞台です。このきもだめしは、以前も行われていたのですが、中止されて久しかったのです、というのも、事件があって……。

 というわけで、小学生ならばもう、ぶるぶるがたがたの怖いお話。これを読んだら、学校に行っても一人で廊下を歩けるかどうか、保障の限りではありません。