2014年7月28日月曜日

「給食室のはるちゃん先生」光丘真理

書名: 給食室のはるちゃん先生
著者名: 光丘真理
出版社: 佼成出版社
好きな場所: 「はるちゃん先生、魔女っていわれていたんだよ」
 わたしのとなりにすわっていた女の子が、こっそり教えてくれました。
「え? 魔女? そんなにこわかったの?」
 しんじられません。こんなに明るくてやさしそうなのに……。
「ちがうちがう、まるで魔法使いみたいに、きらいな食べものまで、すきにさせちゃうから!」
所在ページ:p7
ひとこと:3年生から読める「はじめてのノンフィクションシリーズ」に、光丘真理さんが、学校の栄養士さんをとりあげられました。
 給食のおばさんは何をやっているかぐらいはわかりますが、栄養士さんは何をする方なのか、子どもも知らないし、大人も栄養士の資格をもってて、メニューを決めている人ぐらいのことしかわからないと思います。
 光丘さんは、「はるちゃん先生」という一人の女性をとりあげて、その方がどんなふうに育ち、どうやって栄養士になろうと思われたのか、そして、栄養士になってどんな仕事をしてこられたのかを描くことで、学校と給食の今をうきぼりにされました。子どもだけでなく、PTAで学校に足を向けることの多いおかあさんがたも、読んでいただきたい本だと思います。きっと、栄養士さんと言葉を交わしてみたくなることでしょう。

 はるちゃん先生は、ただメニューを決めるだけでなく、いろいろな工夫をして給食をいえ、食というものを子どもたちに教えます。昔と違うのは、核家族化が進み、私たちのころだったら親は忙しくてもおばあちゃんが教えてくれたようなことを、学校で教えなければならないのだなあと、この本を読んで改めて感じます。現場は本当に大変なことでしょう。
 給食室の改装で給食が数か月やすみ、というのはそうそうわたしも3人の子育てをしましたのでそういうことあったなあと思いだしました。おべんとうのヒントメニューもいただいたかもしれません。おぼえていませんが、子どもは親だけが育てているんじゃないんですね。そんなことも考えました。