2014年6月16日月曜日

『犬たちからのプレゼント』高橋うらら 集英社みらい文庫

書名:犬たちからのプレゼント ショコラがくれたはじめの一歩
著者名:高橋うらら
出版社: 集英社みらい文庫
好きな場所:もし会いにいったら、マロンは、むかえに来たと思うだろう。しっぽをふり、くるくる回って大喜びするだろう。でもおじいちゃんは、マロンを連れて帰ることはできない。だから、会わない方が、マロンのためなんだよ
所在ページ: P90
ひとこと:同じみらい文庫でノンフィクション『おかえり! アンジー! 東日本大震災を生きぬいた犬の物語』を出されたばかりの高橋うららさんが、今度はフィクションで犬に関する短編集を出されました。

しかしフィクションといっても、ノンフィクションとその取材を得意とされる高橋うららさんのこと、ふつうのフィクションではありません。種は、アンジーもいたアーク(アニマルレフュージ関西)で見聞きした「犬にまつわるよくある事例」を基にしているということです。

引用は、ガンで余命数か月のおじいちゃんの飼っていた犬、マロンのお話。おじいちゃんの家は一軒家だったけれど、一人暮らしだったおじいちゃんが入院してしまって、わたしの家は犬を飼えないマンション暮らし、マロンはいきどころがなくなってしまいます。マロンはアークのような施設に預けられますが、マロンとおじいちゃんを会わせてあげたい。病院にマロンを連れてゆくわけにはゆかず、おじいちゃんを施設につれてゆこうとするのですが、おじいちゃんは拒否します。その理由が悲しい。でも、おじいちゃんすごい、と思えます。

どれも責任をもってペットを飼うということは、こういうことなのだ、ということを考えさせてくれる物語です。