2014年4月7日月曜日

映画『ウォルト・ディズニーの約束』


『ウォルト・ディズニーの約束』を見てきました。エマ・トンプソンは大好きなので、それを楽しみにしていたのですが、彼女のファッションもすてきでしたが、映画としても予想以上によかったです。

原題は「ミスター・バンクスを救え」みたいな感じでしょうか。トンプソン扮するPLトラヴァースが、ディズニー社で『メリー・ポピンズ』の映画の製作を監修するが、あまりに頑固でディズニー側とうまくゆかない、という筋なのですが、実は彼女はその作業をやっているうちに、自分の本にも書ききれなかったあることに直面する。それはミスター・バンクスを救うということなのでした。

映画の制作裏話としてもおもしろいですが、何かを書く者としてとても納得できました。特に児童文学を書いている人は、小さいときにいろいろあった人が多い。ひそかにそう思っていたら何かの本にもそう書いてあって、やっぱりそうだったのね、
と思ったことがあります。

書くときは自分もそうですが、そういう自分を隠したい。なので隠してあたかも他人ごとのように書くのですが、たとえば合評会で「なぜこうしたの? なぜこの主人公はこうしないの?」などとつっこまれると、そうしたくない理由に直面しなければならず、そしてそれは自分の隠したいところの中心だったりするのです。

これもそうだったのだなあと思います。『メリー・ポピンズ』の映画と本は全く違うものですが、映画にはその作品としての魅力があるというのは認められているところだろうと思います。楽しい優良なディズニー映画とちがってどこかに刺さるものがある。それがやっぱりミスター・バンクスにかかわるところだし、これを映画に注入したのは、やっぱりトラヴァースとディズニー社との必死のやりとり(コラボ)の結果だったのだなあと納得できた映画でした。

それにしても「2ペンスを鳩に」の歌は何度聞いても泣けますねー。