書名:
白瑠璃の輝き
者名:
国元アルカ
出版社:
国土社
好きな場所:「ちょっとはかしこくなるように拝んどき」
ばあちゃんは、カランとさい銭箱を鳴らした。
所在ページ:p9
ひとこと:2012年に文部科学大臣賞を受賞された国元アルカさんのお作品が本になりました。おめでとうございます!!
主人公、中学二年の拓は、奈良のおばあちゃんの家に預けられますが、新薬師寺の十二神将に引用のようにお参りに行った帰りに出会った美少女は、黒いベールで、黒髪、ほっそり長いドレスで、手にステッキのような細巻のかさ、胸には不気味な銀ドクロのペンダントをさげていました。
いわゆるゴスロリのいでたちです。
さて、この美少女はだれ、そしてどうなるのでしょうか。
この物語の背景にあるのは、十二神将や、春日奥山、祢宜の道、そして正倉院御物である白瑠璃の碗などです。
正倉院の御物は、ほんとうに神秘的ですね。毎回の正倉院展がものすごい混み方なのも理解できます。(このご本にも正倉院展に行くシーンがあります。「いつすいてる?」「ずっとこんでる」で、ちょっと笑ってしまいました)
そして十二神将のすばらしいこと。せんだって、展覧会で見ましたが、びっくりしました。
国元さんは奈良県生駒にお住まいで、仏像やお寺、伝統工芸にとても詳しい方です。まさに、その国元さんならではの雰囲気のあるお作品だと思いました。