書名:
おたまじゃくしのたまちゃん
著者名:
深山さくら
出版社:
佼成出版社
好きな場所:
「うん、そうなのだ。むずむずしたのだ」
「むずむず?」
「しっぽのつけねが、くすぐったくなったのだ」
所在ページ:
p12
ひとこと:『かえるのじいさまとあめんぼおはな』『かかしのじいさん』の深山さくらさんの幼年童話です。
おたまじゃくしのたまちゃんは、ともだちのまるちゃんに足が生えているのに気が付きます。引用は、足が生えるときってどんな感じなんだろうと思って、たまちゃんがまるちゃんに聞いたところです。
くすぐったくなるなんて、おたまじゃくしでなければわかりませんが、それはいかにもありそう。歯が生えるときとかを思い出してしまいます。
深山さくらさんは、なりきることで創作をなさっておられるとのこと、きっとまるちゃんの気持ちになり、まるちゃんをみていいなあと思うたまちゃんの気持ちになり、ここの部分をかきながらくすぐったくなるということを思いつかれたのでしょう。
ところで、たまちゃんはおたまじゃくしのままでまるちゃんより大きくなって、そして足は生えてきません。そのわけは……最後でわかります。うん、私は中学のとき生物部でした。毎日サンショウウオとオタマジャクシにえさをやっていました。夏休みも通っていたぐらい。それで、わけ、わかりますよ。そういうオタマジャクシは……。
だから、ぜんぜん心配することないんだよ、って読んだ子どもさんみんながわかってくれることでしょう。さすが深山さくらさん、すてきなご本です。