書名:
海のむこう
著者名:
土山優
出版社:
新日本出版社
好きな場所:
毛糸が引っかからなかったら 雪にうまってたっしょ
所在ページ:
p22
ひとこと:季節風の幹事で、季節風の書評・評論担当で、そしてなにより季節風の台所、土山優女史が、このたび創作デビューされました。みんなが待っていました、おめでとうございます!!
土山さんがいらっしゃらなかったら、後藤さんなきあと、季節風はなかったかもしれません。ほかにも○○さんがいらっしゃらなかったら季節風はなかったという方はたくさんいらっしゃいますが、代表のあさのさんを別格とすれば、土山さんは特にです。
そして、後藤竜二さんの文学を理解し、その真価を世に伝えようとされている点では、土山さんにかなう方はないと思えるほどです。土山さんの後藤竜二作品リストは、完璧といわれています。私などは土山さんの後藤伝を心待ちにしているぐらいです。
その土山さん、後藤さんとの接点はなにより北海道の大地だったはず。
その大地を描いた絵本です。そして絵は、後藤さんの妹さんの小泉るみ子さん。
まちがいなくほんものの北海道の生活を伝えておられます。
引用は主人公の少女が海がみたくてあることをした、その結果。この少女はいちずで朴訥で自分の心に正直で、作者の土山さんのお人柄を思わせます。
さらにこの本でだれもが連想するのが後藤竜二さんの『紅玉』、『りんごの花』、『りんごの木』。
『りんごの木』はこの前後藤さんの年忌、紅玉忌でも大変話題になっていました。
今でも後藤さんのことを思い出すとおいおい泣いてしまうとまでおっしゃるほどの後藤ファンだった土山さんのことです。十分に後藤オマージュのお作品をかかれたなあと思います。ブラヴォー、じゃない、女性だからブラヴァ!!!