2013年7月15日月曜日

「夏っ飛び」横山充男 

書名: 夏っ飛び
著者名: 横山充男
出版社: 文研出版
好きな場所: 「おやじも飛んだ。兄貴も飛んだ。おれも、六年生のときに飛んだ。だから、おまえも飛ぶ。な、そういうことだ。」
所在ページ: p40
ひとこと:横山充男先生の新作です。
 引用のように、家が氏子であるがために飛ぶことになっている主人公、勇人。十メートルの高さから、四万十川にとびこまなければなりません。昔は、四万十川で子どもは日常的に泳いでいましたが、今はちがいます。昔と比べて水量が減り、川の流れが速くなっていて、学校では四万十川の遊泳は禁止されています。子どもたちはプールでしか泳いだことがないのです。おとうさんが飛び込んでから二十七、八年。現代っ子には、十メートルの高さは大変です。氏子総代の家であっても、都会からひっこしてきた子もいます。
 伝統を守るため、いやそうではなく、おそらく大人になりたくて、子どもたちは果敢に飛びこむのです。

 どきどきする体験、子どもが少なくなって、それに世の中も危険になって、がっちり子どもを守らなければならなくなって、だんだんさせることができなくなってきますが、やっぱりだいじだなあと思うのでした。