2012年2月16日木曜日

さかだちしたって やまだまや おしゃべりがまんのまき

書名:さかだちしたって やまだまや おしゃべりがまんのまき
著者名:杉本深由起
出版社:ひさかたチャイルド
好きな場所: ぎゅっと目をおさえていると、ふしぎ。目の中に、きらきら、いろセロハンがふってくる……。
所在ページ: p15
ひとこと:詩集『漢字のかんじ』で、三越左千夫少年詩賞を受賞された杉本深由起さんの幼年ものの物語です。うえからよんでもやまだまや、したからよんでもやまだまやの「やまだまや」ちゃんを主人公にした第二作です。
第一作は昨年出た『わたしのなまえは やまだまや にんじゅつしゅぎょうのまき』で、あちこち好評なのを拝見していました。産経の書評にものっていました。http://sankei.jp.msn.com/life/news/110731/bks11073107430013-n1.htm

シリーズになるといいなあと思っていたらさっそくの第二作。うれしいな。

引用は、まやちゃんが、授業中におしゃべりを(本当はともだちに聞きたいことがあっただけなのですが)したというので、うしろの席に一人はなれて座らせられて、本当はこんなとき泣くのかなと考えて、目をおさえると、まるで万華鏡のような光景が見えて、泣くどころかうれしくなっちゃうというシーンです。
ちいさいときこんな覚えありました。ちがう押さえかたをするとちがう色が見えるかなと思って、なんどもなんども押さえたことも。すっかり忘れてしまっていましたが、覚えていらして「いろセロハンがふってくる」とは、さすが詩人さんでいらっしゃいます。
この本の中には、そういうまやちゃんらしい発見がたくさん。
元気っ子であるというだけでなく、そういう発見の日々が、この物語をすてきなものにしています。

ちなみに絵は長谷川知子さん。後藤竜二さんの一ねん一くみシリーズの方です。
まるでくろさわくんの女の子版のようなやまだまやちゃんシリーズにぴったりで、やまだまやちゃんもくろさわくんのように、ずっとずっと続いてほしいなと思います。