2011年10月27日木曜日

タンポポ あの日をわすれないで

書名:タンポポ あの日をわすれないで
文:光丘真理 絵:山本省三
出版社:文研出版
好きな場所: タンポポってすごいなあ。タンポポは綿毛になって、きっと、あたしたちの町のそこらじゅうにとんでいくんだ。
ひとこと:さすが、もうあちこち書評がでておられます。たとえば産経。
http://www.sankei.jp.msn.com/life/news/111023/bks11102308390004-n1.htm

光丘真理さんは、宮城県ご出身の女優さんでもいらっしゃる作家さん。私がはじめて拝見したのは、漆原智良先生の舞台『東京の赤い雪』の語り役でした。終わっての舞台上のインタビューでは、ご自分が紹介されるのもそこそこに、ちょっとおいではやくはやくと舞台袖にいる子役の方をよんで、この子はねこういう子で、がんばったんですよーと稽古中のエピソードを話されたのを私はしっかりと覚えています。そんなやさしさが、お作には、つまっています。
このご本も一人の子が東日本大震災を経験したようすを、順を追って綴りながら、悲しさにかたむかず、苦しさつらさにかたむかず、がれきの中のタンポポを発見した喜びをクライマックスに描いて、やさしい視点です。山本省三先生の絵も明るい色ではれやか。なので、よけいに心を打ちます。

ちょうどアマゾンに予約画面がでているみたいですが、光丘さんはみらい文庫の12月刊で百人一首をテーマにしたファンタジーいとをかし! 百人一首 平安時代へタイムスリップ を出されるみたいです! おおっ楽しみ。お正月に向けて、うれしく頼もしい一冊になることでしょう!