2011年10月13日木曜日

メン!ふたりの剣

書名: メン!ふたりの剣
著者名:開隆人
出版社:そうえん社
好きな場所:わたしが強かったのはね。小さいころから、お父さんと剣道をやっていたからさ。誰よりも有利な環境でね。勝てていたのは、あたりまえだよね。でも、真の天才と出会っちゃったんだ。限界が見えた。
所在ページ:p56
ひとこと:「メン!出会いの剣」「メン!試練の剣」ときてメン!シリーズ第三巻、「メン!ふたりの剣」がとうとう発刊されました。
今度は、あの天才剣道少女ミクにライバル出現。それも韓国剣道をやってきた運動能力抜群の女の子です。引用は負けなしのミクちゃんが、自分が強かったのは、環境のおかげだと自覚するところです。そしてどうなるか、は読んでのお楽しみですが。
厳しすぎるお父さんとの確執で始まったメン! ミクちゃんももうすぐ中学生となるのです。開さんが日本児童文学に書かれた短編「ファーザーズ」のような、連綿と続く親子の関係がここにもリアルに示されます。
そしてもうひとつ開さんらしい要素、韓国にも剣道があって日本にもある、それぞれ細かな違いはあるけれど、本当に大事なことはなにかということ。
読み応えのある最終巻です。
絵の高田桂さんは、第一巻の出版記念会でお目にかかったときは、本当に新進の漫画家さんという感じでしたが、みるみるメジャーになられて、フランスで漫画の指導もされれば、ビッグコミック・スペリオールに連載もされているとか。この「ふたりの剣」でも、表紙の三人が生き生きとシャープに描かれていて、すてきです。