2011年7月29日金曜日

野鳥もネコもすくいたい!

書名:野鳥もネコもすくいたい!
著者名:高橋うらら
出版社: 学研教育出版
好きな場所: 候補の名前には「にくきゅう館」「ねこの家」など、いろいろありました。村民の投票により、わかりやすく親しみやすいという理由で「ねこ待合所(通称・ねこまち)」と、決まりました。
所在ページ: 96
ひとこと:2011年6月に世界自然遺産として登録された小笠原諸島。空港を作るのも自然を壊すおそれがあるということで、こんな時代でありながら、いまのところ基本的には船でなければ行き来できず、東京から片道二十五時間かかり、その船も、客船は一隻が行き来するだけなので、行ったらほぼ一週間滞在しなければかえってこられないという場所です。そういう場所でありながらも、ただ、アンタッチであるだけでは、開発しないというだけでは、自然は守ることはできない、人が積極的に保護に立ち上がらなければならないのだということをこの本はしっかりと伝えているように思います。
 ねこがなぜ「ねこまち」で待っていなければならないのか、なにを待っているのかは、本を読んでいただくとして、このねこまちの建物には、三角のネコの耳がついており、その耳こそが人の理解が自然保護には必要であること、ただ元からの自然が美しいから、すばらしいからだけで、自然遺産として登録されたのではないということの象徴のように思えるのでした。たぶん、この本が自然遺産として登録されたのと期を一にして発行されたのが、きっと偶然ではないように。