2011年1月15日土曜日

季節風105号

書名:季節風105号
著者名:全国児童文学同人誌連絡会
引用場所:表現力は一級品。たいしたものです。もう少し整理して、姉妹の確執とか愛情の部分と発表会の当日の事件をそれぞれきっちり書きこむ作業が必要でしょう。同じ程度の重さがあるので、どちらも生きてこないと感じました。

所在ページ:p270

ひとこと:拙作「その日」に対するあさのあつこさんの評です。課題がいっぱいというご趣旨の評だと理解してはおりますが、とりあえずうれしい。投稿してもあさのさんに読んでいただけるかどうかは時の運なので、あさのさんに読んでいただけただけでもうれしいけど、評はもっとうれしい。実はあさの評ははじめて。

前号はあえなくボツで泣き、直後の大会の分科会で「事物描写はへったくそ」と言われて泣き、そのとき105号投稿原稿はもう書いてあったんだけど、今度ボツだったら、三月の合評の対象にしてもらえない(前二号分の掲載作品が合評されるため)ぞと思い、気合を入れて直しに直して投稿したのでありました。

だってあの合評にはなんとかして出たいです、それだけの価値がありますものー。腹から気合が入るためには、へこむのが必要なのか、でもへこみたくないのが人情ではありますが。ばっちりへこんだせいか詩「右と左」も掲載していただけて、高橋さんに「同じ人の詩と創作を同時に掲載するのははじめてかもしれないぞ」といわれることに。でも詩のほうも同じような課題のご指摘があったので根っこは同じ。

とはいえ三月の合評のことがひたすらうれしいのでありました。とはいえ、課題は大変。ほんとに。難しいです。だからこそいかなくちゃー

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でも私のよりなにより、今号には、大会の推薦作が半分のっているので、読み応えがあります。

物語分科会の推薦作、邱力萍さんの「何さん」はとにかくすごい。美しい中国の側面と、めんめんとつながってきた中国の文化のその香り、政変に耐える人たちの身の処し方と哲学を描きながら、あくまで子どもの目線で、友人関係、生活、家族の愛、そんなものも多面的に平凡でなく描きだしていて、もう脱帽です。

自分のひっこめたくなる。いや、自分には自分の物語があると、最近は思うようにはなりましたけど。自分より、今書こうとしているテーマについてよく知っている適任者はおられるかもしれないが、その方は私が書くようには、書かれないわけだから。

ほかにも、はやみずようこさんののまちゃんシリーズも冴えわたり、あだちわかなさんは書評を書かれ、松井ラフさんは大会初参加で感想を書かれているし。投稿作品も、前回七月の合評会で後藤さんの遺志で「みんなで落選理由を考えよう」ということだったのか落選者合評対象作品となっていた小金重裕さんのお作品が、ついに掲載ということもあって、それは読んだみなさんがばんざいと思ったことだろうな。