2010年10月4日月曜日

児童文芸2010年10・11月号

書名:児童文芸2010年10・11月号
著者名:日本児童文芸家協会
出版社:銀の鈴社
好きな場所:孫のような私を傍らに、大好きな浪花節を聴く父の顔が、いつも綻んでいたのを覚えている
所在ページ:125
ひとこと:「あの日、あの時」欄のがまりんさんこと季巳明代さんのエッセイです。お父上の浪花節の思い出と季巳さんの絵本の語り口のことについて書かれています。季巳さんの語り口は流暢で味わいがあって、フレーベル社から出版されている「ひげなしねこ」もそうですし、私ども見せていただいた勉強会のお原稿もそうでした。生の子どもを目の前にして何十年も毎日毎日声に出して読んでこられたことも思うと、季巳さんのご本は言ってみれば戯曲のようなもの字づらだけじゃないのだなあと改めて思ったのでした。

他に「わたしの読書ノート」欄では原山裕子さんが読書体験を語られ、それから、何より第14回創作コンクールつばさ賞受賞作、松井ラフさんの「しろいじてんしゃおいかけて」が全文掲載されています。どちらも河童の仲間で、特に松井さんの「しろいじてんしゃおいかけて」は、みんなで拝見させていただいたお作品ですけど、そのあとも何度も何度も推敲され磨かれて、優秀賞をおとりになったという、ほんと汗とご努力の結晶です。すごいと思います。

あとつばさ賞のノンフィクション部門には、あだちわかなさんの「印刷屋の少女コト」が佳作に入られていて、あだちさんも河童の仲間だけど、このコトは去年の季節風大会の表現分科会でもみんなでいっしょに拝見して、分科会の推薦作だったので、ほんと二重にも三重にもうれしいです。

というわけで、うれしいオンパレードの今号でした。