2010年5月30日日曜日

掏模(スリ)

書名:掏模(スリ)
著者名:中村文則
出版社:河出書房新社
ひとこと:最近ばたばたしていて、でもあまりブログを更新しないのも申し訳ないような感じがしてきて(だれも期待してませんてば^^;)……だいぶ前に読んだ本ですがご紹介することに。

読んだのは「最近読んだ本」と聞かれて、ううとつまってしまったから。そういえば児童書は別にして、そんなに小説は読みません。これは何か読んで勉強せよというありがたい機会をいただいということにちがいないと思い……

いやあ、これわたしはおもしろかったです。異世界に行って辛くも戻ったような気がするのが物語の醍醐味だと思う。たしかに小さいときは読書でそんな体験をたくさんしました。でも大人になってすれてきたのか、なかなかそういうめにあいません。でもこれはばっちりでした。それにおもしろい。
たしかに、○○のシーン(ネタバレになるので詳しくは言いませんが)は、事実関係がわかりにくくて、人によってはきっと、誰がどこで何をしたの?どう意思が通じてたの、その時この人は何を知ってたの、とつっこみたくなるんじゃないかと苦笑したくなったけど。
でも全体におもしろい。それだけじゃなくて、これはただのスリの個人の話じゃなくて……というのが、傍点を読めばわかるというのが純文学たる仕掛けです。
なんだかわからんと思いますが。そんなわけでした。なので引用もなしです。