2010年4月3日土曜日

駱駝祥子

書名:駱駝祥子
著者名:老舎
出版社:白帝社
好きな場所:「ふん、泥まみれの汗を出さんと身体じゅうむずむずするんだろう。できそこない。せっかく作ってやった飯もくわねえで、うろつき回ってあさり食いしていい気持ちなのかね。わしを怒らしちゃためにならないよ。あたしの親爺はやもめ暮らしをしとったんだ。娘のあたしは何だってやってのけられるんだ。明日もしお前さんがまた出かけたら、わしは首を吊ってみせてやる。あたしは言い出したら何でもやってのけるんだぞ」「遊んでいるのはいやだ」
所在ページ:242
ひとこと:前に映画を見たことがあります。いっしょうけんめい稼いでせっかく買った人力車ごとどっかの軍閥につかまって、行った先から駱駝を持って帰った車引きの祥子(シャンズ 男性です)にみんなは駱駝の祥子とあだなをつけました。その車引きがどうなったか、というお話です。暗いくらい、救いがない。これ、たぶん京劇になってるはず。どっかでチラシを見たことがありました。
でもね、小説を読んでみたら、救いはあったんですねー、ここでした。祥子は車を引くのが大好きだったんです。奥さんに引くなと言われても、その必要がなくても引きたかったんです。
時代的に、でもね、この彼がどうなったか考えてよ、社会はそれでいいの、というテーマの小説ではありますので本当はそう読まなければならないのですが、でも私はあまのじゃくなので、でもね、いいんだ、彼は好きだったんだ、と思って勝手にすくわれてるんですが(違うだろ)。
でもね、話は違うけど、よく児童文学には、救いがとか、読後感がとか言われるけど、私は心情的には納得してないです。こういうやりかたもあるはずだし、子どもは必ずわかるはず。でもまあ、そう言われるってことは、私には、まだまだ筆力がないってことですけど。